要因と原因はどちらもよく使われる言葉ですね。
2つの言葉の意味は同じようにも思え、違いが分かりにくいかと思います。
要因と原因の違いは何なのでしょうか。
「怪我した原因は何なんだろう。」
「怪我した要因は何なんだろう。」
このように要因と原因を入れ替えると、文脈に違いが出るのでしょうか?
今回はそんな要因と原因の意味と違いについてご紹介します。
要因の意味
まずは要因の意味から見てみましょう。
大辞泉では要因の意味を以下のように説明しています。
あれっ? この要因に対する説明、何か違和感を感じませんか?
要因=主な原因、違うような気がするのですが、先に原因の意味も見ておきましょう。
原因の意味
次に原因の意味を調べてみました。
大辞泉では要因の意味を以下のように説明しています。
これは言い回しが分かりにくいですが、何らかのもとになることという、一般的な原因の解釈と違いは無さそうですね。
要因と原因の違い
要因と原因の違いを考える上でネックになるのが、大辞泉の「物事がそうなった主要な原因。」という定義。
どうやら大辞泉に限らず、他の多くの辞書やネット上の情報でも要因と原因の違いを数に求めているようです。
- 要因は1つ、原因は複数という考え方
- 要因は複数、原因は1つという考え方
私はどちらも正解で、どちらも間違いだと考えています。
というのも、様々なケースに応用してみると要因が複数のケースも原因が複数のケースもあるからです。
原因=cause、要因=factor
和英辞書では原因=cause、要因=factorとなっていました。
これは原因が1つ、要因は複数という定義の元に翻訳されていますね。
マーケティング用語でKFSという言葉がありますが、これは「KEY FACTOR OF SUCCESS」の略で、成功要因の中で特に鍵となる要因を意味します。
要因が複数ある前提で成り立っている用語だということです。
では原因が1つという定義が正しいのかというと、そうとも限りません。
日本経済が低迷した原因は果たして1つだけなのかというと違いますよね。
原因も要因も定義が分かれる
辞書もネットの情報も、もっともらしく断定的に原因と要因の違いが書かれていたりしますが、どちらとも断定できないように思います。
時代とともに日本語は変化しますので、まさに今変わりつつあるのかもしれません。
私個人としては「原因の背景には複数の要因があり、原因もまた複数ある(ケースがある)」という考えの元に原因と要因という言葉を使っています。